廃景に鉄塔、「千鶴」は田園にて待つ。 (废景中的铁塔,千鹤在田园中等待。)-トーマ

[ti:廃景に鉄塔、「千鶴」は田園にて待つ。 (废景中的铁塔,千鹤在田园中等待。)] [ar:トーマ] [al:アザレアの心臓 (杜鹃花的心脏)] [by:] [offset:0] [00:00.00]廃景に鉄塔、「千鶴」は田園にて待つ。 - トーマ (Tohma) [00:10.86]词：トーマ [00:21.72]曲：トーマ [00:32.59]どこかくすんだ九月の日 [00:34.72]枯れだす大気は [00:36.18]季節を掻き毟った [00:37.71] [00:38.51]母胎の森はいつもより [00:41.29]騒ぎ立てていた [00:42.95] [00:51.94]教室の水槽が消え [00:53.72]幾千の魚が [00:55.05]海岸に打ち上がった [00:57.34]不吉にも僕は [00:59.68]自転車でカラスを轢いた [01:02.36]山小屋の羊たちの鳴き声は [01:05.07]何処へ行ったろうか [01:07.31]ずっと長い未来から [01:09.61]逃げ出すみたいに [01:11.39] [01:12.12]「ウージの眼」と呼ばれる [01:14.22]巨大な送電塔は [01:15.74]赤く赤く染め上がって [01:18.14]見下ろしていた [01:20.07] [01:25.63]閑静な廃景に鉄塔 [01:27.76]田園に浸かって [01:29.56]簡単なカメラで僕を写した [01:32.78]唐突に視界に入った [01:34.79]黒い制服の彼女は口を開いた [01:39.46]「あなたは [01:40.70]私の産まれ変わりなの」 [01:42.99]そう言ってすぐに [01:44.44]背を向けて去った [01:46.07]焼き付いて離れない表情から [01:48.24]もう逃げられない [01:49.63] [01:59.27]夕暮れがアスファルトを焼く [02:01.82]単調に焚きだす祭囃子を抜け [02:04.95]綺麗な字が書かれた [02:07.26]紙切れをまた見た [02:09.57]線路に導かれて [02:13.29]聞かない駅二番ホーム [02:18.78]そこには予告通り彼女はいた [02:24.23]手には枯れた花束を [02:26.09]持っていた [02:27.54]静寂な夜を歩いた [02:30.07]会話もなかった [02:31.77]塞がれた [02:32.82]石のトンネルがあった [02:35.02]板張りの隙間から [02:36.71]奥の方に鳥居が僅かに見えた [02:41.64]「あなたの産まれる前の日のこと [02:45.06]16年前の今日を教えてあげる」 [02:48.39]花を供えた目は泣いていた [02:50.93]これはまだ始まりだった [02:54.10] [03:03.77]守られない命も [03:08.10] [03:08.68]隠したことも [03:12.92] [03:13.55]ほんの些細な言葉も [03:18.46]誰かが背負っていた